和歌山県警の健康管理に関った22年間
投稿日:2020/11/16
医師としての後半生のライフワーク
この和歌山県警の仕事は、私の医師としての、後半生のライフワークとなりました。
一次予防、生活習慣病予防は、私が医師というなりわいを持って以来私自身の生活の基本でした。
さらに医師としての特に考え方が、合理的かつ自由人である?私と、警察組織という典型的?公務員の考え方の折り合いに、苦労した22年間でした。
しかし、そのきっかけは、とんでもない和歌山での大事件「毒物カレー事件」でした。この事件は、おそらくそれまでの和歌山の犯罪史上の中で稀有な大事件でした。そして、この捜査の中心にいた最前線の刑事さんが、捜査中のある朝、過労による突然死したのです。
亡くなる直前の残業時間は、月に240時間というものでした。このことがきっかけで、警察庁から、和歌山県警に、今までなかった産業医の必要性の指示があり、その最初の第1号が、私だったのです。
まさに、林真澄が、私の後半生の生き方を変えたのです。
当時の和歌山県警は、不健康きわまりなかったのです。このような2,500名の集団に対し、以下の問題が、山積している組織を健康にするのは、不可能に近いものでした。
和歌山県警の問題点
- 休業率、外来保険点数が、全国警察でほぼワースト1
- 喫煙率、肥満率が全国警察の平均以下
- 精神疾患の割合が多い
当時私一人で、2,500名の職員の個別の生活指導は、到底無理でした。しかし、私の医師としての私の気持ちに、火がついたのです。そこで色々と考えた結果が、以下の方法でした。健康支援リーダー(別名 五十六事業)でした。これは個別指導ではなく各所属でリーダー選んでいただき、そのリーダーを、十分に指導して、下の方に伝えればいいのです。
健康支援リーダーの役割とは
職場での活動
- 個々職員の心身の健康状態の把握に努める
- 部下の声に耳を傾け、勤務効率向上のために改善を図る
私がなぜこのような気持ちを持って、和歌山県警の健康管理に関わったかと言うと、真しく3番目の一次予防、生活習慣病のきっかけ作りのモデルケースにしたかったという、医師としての生き方なのです。
そしてそれは、私のライフワークになりました。
委託でない「産業医」の仕事とは
- 職場巡視
- 健康診断の結果等による個別相談
- 過重勤務者の健康相談
私が行ってきた「産業医」としての仕事
- 生活習慣病予防のきっかけ作り
- メンタル対策
私が考える医師としての仕事の基本は、結果を待って治療するだけではダメなのです。間違った生活の基本を指導しないと、ダメなのです。
病気になるのを待って治療するだけが、医師の仕事ではない。
まさしく日野原重明先生の生き方です。
私は気が付きました、この健康支援リーダーの取り組みは、後で気がついたのですが、同じようなことで、地域でもやっていたのです。
それは長野県でした。1960年頃長野県では脳卒中が、日本一多く、医療費も大変でした。いくら現場だけで治療しても、脳卒中の患者さんが減少することがなかったのですで。そこでその原因を調べたら日常生活での塩分摂取量が、日本一を多かったのです。このことで高血圧になり、脳卒中が多発したのです。
ここで、地域の代表者集め食生活の改善を指導したのです。まさしく、アフガニスタンでの中村哲さんのような仕事でした。
結果を治療しているだけではダメなのです。生活の基本を変えないと、ダメなのです。
私が、35年間仕事の合間で山歩きし続けたのは、このことがあったからです。私は山に登るとき、山、海、川、空の、臭い、色、光、風、音、を感じます。
それも、私の山に登るきっかけです。
林靖二先生とは10年以上、名草山の友?でした。先生は、私より10歳年上で私が、目指す方です。先生とのお約束は、10年後名草の頂上で祝杯を上げるということです。 そして二人で青春をしましょう。
青春とは、年齢ではないのです。
最後に
私個人として、2025年は、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる年で、これにより後期高齢者の数は、全人口の約18%にあたる2,179万人になります。
つまり日本は、急速に超高齢社会に突入するわけです。この方たちは医療費、介護で数10兆円持ち出します。それが若者の将来奪っています、我々がその世代なのです。
我々が健康に対する意識を少し上げるだけで、数兆円支出を防ぐことができます。
また皆さん方もその予備軍なのです。
お互い元気になって、若者の夢をつなぎましょう。
私の最終目標は、このことなのです。
- 和歌山県警を「健康警察日本一」へ
- 職域「健康経営」
- 地域「コミュニテイー(助け合いetc.)の最終ゴールは、高齢元気村」
そしてゴールは、